わたしを含めて多くの日本人は、減点方式の思考をよくすると思います。
「英語はよかったのに数学がダメだった」
「100点満点で15点も落としてしまった」
「なんであんなミスしたんだろう」
「あの人は優しいけど金に汚い」
「あのラーメン屋、接客がよければ星5つなのに」
「わたしにはあれも足りない、これも無い、もっと理想のわたしだったらよかったのに」…。
しかし中には、加点方式の思考を身につけている人もいます。
「数学はダメだったけど英語はよかった」
「100点満点で85点も取れた」
「ミスが起こるのはチャレンジした結果」
「あの人は金に汚いけど、優しい」
「あのラーメン屋、接客はまあまあだが味が抜群」
「わたしにはこれこれの長所がある、いまのわたしでいい」…。
両者とも、おなじ事実を述べています。しかし、捉え方によって他人や自分にたいする評価がまったく違ってきます。
どちらがいい、とは言えません。ただ減点方式の思考に慣れたわたしからすると、加点方式の思考はとても魅力的です。他人をけなすより誉めたほうが、相手だって気持ちいいはずです。自分を貶めるより認めたほうが、人生を前向きに生きられるはずです。
たとえばいつまでも自分に自信を持てない人。たとえばわが子の短所ばかり叱ってしまう人。減点方式の思考だけになっていませんか?理想像がまずあって、現実と照らし合わせて足りない部分ばかりに注目していませんか?
わたしはそうでした。だからそのことを人生の先輩に指摘されて以降、「あ、またおれ減点方式で物事を見てる!」と意識するようにしてきました。加点方式の思考法。よかったら使ってみてください。周囲の物事が好転していくかもしれません。
進学塾センシン
塾だより2021年12月号より
*生徒・保護者向けに月一で発行している「塾だより」から、主要な記事を抜粋して公開しています。
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